世界の女性ジャズヴォーカル 2007年ベストCD
Emilie-Claire Barlow / The Very Thought Of You
Emilie-Claire Barlow/The Very Thought Of You
1998年からCDを出しているEmilieですが、線の細い歌でアレンジ等もありふれたCDが3枚続きました。ところが、2005年の"Like A Lover"では、自らがプロデュースし、少し大人の雰囲気でジャズらしい歌に変貌し始めました。でも、まだ「息切れ」しながら懸命に歌っているという感じでした。それが、2006年のクリスマス・アルバムになると、蛹が蝶に羽化するように、余裕のある大人っぽい歌になっていました。そして2007年の本CDは、変貌した歌に加えて、長年抱いていたアイデアが盛り込まれた、センスのよい、都会的で洒落たアルバムになりました。特に、ヴァースの扱いは他に類を見ません。伝統的なジャズ、ジャズ・ボーカル、ミュージカルを十分聴き込んだEmilieの会心作です。(2007年)

1998年のデビュー・アルバムから2003年の第3作までは父親のバンドでのアルバムで、はっきり言って古めかしいアルバムでしたが、自らが主宰するEmpress Musicレーベルから自らのプロデュースで出した2005年の'Like A Lover' 2006年の'Winter Wonderland'は、オシャレでうまいアレンジが光る名盤となりました。そしてそれらに続いて出たのがこのアルバムです。ジャズ・スタンダードとなっているミュージカル・ナンバーやスタンダード、シャンソンなどを巧みなアレンジと優れた伴奏で、実にうまく歌い上げています。Almost Like Being In Love,Surrey With The Fringe On Top,The Boy Next Doorではオリジナルのミュージカル映画のバースを歌っているのもうれしい限り。My Tome Of Day-I've Never Been In Love Beforeも映画の通り。
純ジャズ・ボーカルとは言いにくいかもしれませんが、録音も優れ、かわいい声と質の高い伴奏、特にNancy Walkerの音をたくさん弾かない伴奏など、大いに楽しめるアルバムです。(Jan,2019)
Sinne Eeg / Waiting For Dawn
安城市にあるデンパークの関係からか、2003年以降愛知県方面に毎年のように訪れる、Denmarkのコンテンポラリーな歌手、Sinne Eegの最新作。Swedenのピアノの名手 Lars Janssonを迎えたトリオをバックにコンテンポラリーな歌を披露しています。歌のうまさ、魅力的な声、伴奏陣のレベルの高さで近年のコンテンポラリー・ジャズ・ボーカルの代表作となりました。
Jeanette Lindström / Whistling Away The Dark
世界屈指のコンテンポラリー・ジャズ・シンガー Jeanette Lindströmの新しいユニットによるCD。
Bobo Stenson(P)、Palle Danielson(B)、Magnus Öström(Ds)という重量級トリオをバックにスタンダードばかりを歌っています。ややJeanetteらしくない、ジャズっぽく歌おうとしている、と言われる向きもあろうかと思いますが、それを差し引いてもBest3に入れたいアルバムです。
Other Best CDs 2007
Alison Dewar
Natural
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Soon
Dena Derose
Live At Standard Vol.1
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Blue Nights
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The Target
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The Expense Of Spirit
Lauren Koval
No Complaints , No Regrets
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Starry Eyed Again
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Silje Nergaard
Darkness Out Of Blue