世界の女性ジャズヴォーカル 2012年ベストCD
2012年は多忙だったため十分聴き込んでいないCDも多く、年末になって聴き直しました。今年2012年はコンテンポラリー歌手がスタンダードを歌うものが多かった印象です。また、これが絶対1番というようなできのものはありませんでしたが、星4ツ程度の、かえって親しみやすいCDが多かったように思います。2012年はNon-Contemporary,Contemporaryに分けずに選びましたが、めずらしく1,2,3はポップス色やカントリー色などのない、純ジャズ系アルバムが揃いました。
Too Much In Love To Care / Claire Martin / Linn , 2012 UK
Claire Martin / Too Much In Love To Care
長いClaire Martinの経歴でも初めてとなったアメリカ勢との共演。しかもKenny Barron,Peter Washington,Kenny Washingtonという今のジャズ界を代表する3人のトリオ+Steve Wilson(as,flute)という豪華伴奏陣。Claire Martinらしさはないとはいえ、このメンバーをバックに余裕と貫禄の歌を披露しています。選曲もClaire Martinらしくないアメリカ・スタンダード集的。敬意を表して1st prize。
No More Hanky Panky / Tina May / 33 Jazz , 2011 UK
Tina May / No More Hanky Panky
Tina May Paris Quintetというフランス・パリでのレギュラー・グループによるハード・バップ色の強いハッピーな1枚。Dexter Gordonのタイトル曲 ' hanky Panky ' と ' Cheese Cake 'の他、Charlie Rouse、Paul Chambersの曲など、バップ・チューン中心のゴキゲンな内容。数曲をフランス語で歌っています。
Albums Of Four Seasons / Nicki Parrott / Venus Records , 2012 Japan
Venus Recordsからの四季アルバム。ベーシストでもあるNicki Parrottらしいインスト派も好む名曲ばかりを、ごくシンプルに歌った4枚で、ポップス色やカントリー色のない好CD。
Other Recommended CDs
Blossom & Bee / Sara Gazarek / Palmetto , 2012 USA
Sara Gazarekが敬愛するBlossom Dearlyに捧げたアルバム。コンテンポラリーながらもポップス色が抑えられたジャズ・アルバムになっています。Saraの個性がよく出た、いいジャズ・ボーカル・アルバムになりました。
Girl Talk / Kate McGarry / Palmetto , 2012 USA
Kate McGarryの第6作。毎回ジャケットのデザインが全く違い、どれが本当のイメージなのかわかりません。今作は相変わらずおしゃれでポップな感じですが、ポップスよりスタンダード・ジャズ系のアレンジになっています。
A Quiet Thing / Madeline Eastman / Mad-Kat , 2012 USA
アメリカで実力No.1のMadeline EastmanがRandy Porterのピアノだけをバックに幅広いジャンルの'Ballads'を歌った、しっとりとしたバラード・アルバム。