Annual Best CDs 2023
コロナ禍が始まって4年が経過しました。この間ジャズ・ヴォーカル・アルバムの製作が少なかったため、2023年のアルバムはかなり少ない状況でした。また、コロナ禍の影響もありミュージシャンたちがCDとして発売するのではなく、SNSなどを通じ映像としてを発信することが増えた影響もあるかもしれません。これらは手軽に演奏(歌)が視聴できますが、音質はあまり良くないので、ある程度音質を望むのだとまだCDが必須です。
2020年以降台頭してきた若手歌手 Veronica Swift(USA),Caity Gyorgy(Canada),Samara Joy(USA)たちの活躍は続いていて、もうジャズ・ヴォーカル界を牽引していく存在になっています。一方ヴェテラン歌手の活躍もありました。Claire Martin(UK),Emilie-Claire Barlow(Canada),Stacey Kent(UK)などが新譜を出しました。
Tina May(UK)が2020年録音した'52nd Street' は、発売の情報があってからなかなか発売されませんでしたが、2023年やっと発売され入手しました。このアルバムを手にするまでTina Mayが亡くなったことに気づきませんでした。このアルバムはTina Mayが2020年1月録音したDuncan LamontにトリビュートしたLamont曲集です。Duncan Lamontは長年ロンドン'Soho'ジャズ・シーンでスタジオ・ミュージシャンとして活躍したサックス奏者・作曲家・バンドリーダーで、2019年7月に亡くなりました。Lamontを追悼するアルバムがTina Mayの遺作になってしまい、アルバム・ジャケットにTina MayとDuncan Lamontの遺影写真が並べられました。Tina Mayは私のコレクション初期からの中心的歌手でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
(2023.12.31記載)

Tina May (30 March 1961 – 26 March 2022)
I Watch You Sleep:Scott Dunn Celebrates Richard Rodney Bennett
with Claire Martin And The Royal Philharmonic Orchestra/Stunt Records,2023,Denmark
Caity Gyorgy & Mark Limacher/You're Alike, You Two/
La Reserve Records,2023,Canada(Muzak,2023,Japan)
 
 Emilie-Claire Barlow/Spark Bird/Empress Music,2023,Canada
 
 
 Stacey Kent/Summer Me, Winter Me/NAIVE,France,2023
 
 
 Sara Dowling/At Sundown Time/Blau Records,2022,Spain
 
 
 Francesca Bertazzo Hart/Playing With Jimmy-Tribute To Jimmy Van Heusen
/Caligola,2022,Italy
 
Specially Commended
 Tina May/52nd Street/Tina May sings Duncan Lamont/33 Jazz Records,2020,UK